私も含め
私の周りのボラさん達の
譲渡条件でもあり
譲渡誓約書でもお約束を頂く
「完全室内飼い」
「中外飼い不可」
「お散歩不可」


私の里親さまは知ってると思うけど

お申し込み時
トライアル開始時
正式譲渡時


私の口は酸っぱく
里親さまの耳にはタコが出来る
ぐらい説明してると思うし





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書面にもしてるけど
それでもイマイチ伝わらない事があるので
最近では
「家から出してイイのは通院時のみ!」
と伝えてる。



それでも起きてしまった
今回の脱走は…


ハーネスをつけて
お墓参りに連れ出して
その墓地で
ハーネスが抜けて逃げてしまった。


というもの…



おウチからかなり離れた
帰るに帰れない場所からの脱走…

右も左もわからない
見ず知らずの場所で脱走…


という
かなり条件の悪い脱走…


一部メディアやSNSで
リードやハーネスをつけて軽やかにお散歩する
猫さまの様子を目にする事がありますが…
あれは特殊な訓練を受けた
特別な猫さま。だと思ってください。


普通の猫さまでは多分無理です。


液体な猫さまにリード、ハーネス
というのがそもそも不向きです。

ワンちゃんと違って
そもそも
猫さまにお散歩は必要ありません。





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脱走捜索と言っても
ピンと来ない方がほとんどだと思うので
説明します。



脱走捜索とは
広い河原で一つ小石を握り
その場で目隠しぐるぐるバッドで10回転。
目をつぶったまま
その場で握ってた小石を力一杯投げる。
その小石を探せ!


より
高い難易度だと思ってください。


今回は最大時30台オーバーの
捕獲器を設置。


入れ替わりになりますが
トータル20人以上の捜索隊。




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霊園内外に捕獲器を設置。




捕獲器って置いておけばイイんでしょ?
ではないんです。




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朝に昼に夜に深夜に


脱走ちゃんや他の子が入っていないか
数時間おきに
見回り確認が必要だったり。


ご飯だけ盗み食いされていないか
されてたらご飯追加。


そして最低限、日に1度は全台の
ご飯の入れ替え。



という
捕獲器のお世話が必要。






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お外猫ちゃんや
他の動物が入る事も多い。


お外猫ちゃんや
他の動物が入ると中も外も
めちゃくちゃになるので
やり直し。





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雨が降れば
1台1台ビニールを掛けてまわります。


雨が上がればビニールを取ったり。
新聞紙を巻き直したり。


ひとりでやったら数時間。
それを数人協力して
日に数回。




ご自宅からの脱走の場合は
これらの捕獲器のお世話のほとんどは
里親さまのお仕事になります。
大変ですよー。





そして
捕獲器のお世話が終わったら
見回り捜索しつつ
チラシ配りやポスター貼り。




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今回は現場がご自宅じゃないので
地図貼っちゃいますけど…


この地図は途中経過なのですが
結果的にはこの地図ほとんどの地域を
かなり広範囲にぐるぐる捜索
そして
ポストイン
ポスター貼りをしました。



今回は自宅からの脱走ではないので
遠くに行ってしまった可能性もあり。
周辺に民家が少なく
大きな工場や
広い広い野っ原が広がる地域だったので
チラシ配りやポスター貼りのエリアが
とてつもなく広がりました。





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こんな場所をザクザクと。
チクチク草だらけになって
捜索。



朝に晩に平均少な目に見積もって
時間帯はマチマチでも
日に10人以上、数時間。
人によってはよっては丸一日
車に泊まり込みのボラさまもいて。
捜索しました。


車で片道1時間弱という距離のボラさまも
みんな仕事やプライベート
寝食を削って
毎日通って…




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ほとんどが
か弱い女子ばかりなのに(笑)
深夜の荒地もワシワシと
深夜の墓地もワシワシと
捜索しました。



でも捕獲器に入ってくれるのは
おなじみさんになりつつあった
お外猫ちゃんやタヌキさんばっかりで…






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目撃情報があれば
人手を分けて
そこにも捕獲器を追加したり
周辺捜索したり…


北側の工場地帯は
トラックの出入りが多いし…
もし乗り込んでしまっていたら…

とか。
心配なことばかり想像して
心折れそうになったり。
でも、もしコレが我が子なら…
シュウさまや凛さん、ニコちゃんだったら…
絶対見つける!
諦めたらそこでおしまいだから
あと1日頑張ろ…明日こそは!
あと1日頑張ろ…明日こそは!
と皆で励まし合って迎えた



ちょうど1週間目の朝に


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距離で言えば直線で200mぐらいの。
捕獲器の設置を許してくれた
民家の裏の捕獲器に入ってくれました。


1キロ四方ぐらい
探してたのに(笑)

ご飯の入れ替えや見回りも
日に数回してたし
何回も何人もその周辺捜索しても
1回も誰も見かけなかったのに(笑)






そんなもんなんですよねー。
目撃できる方が稀で。
 

もうこの辺にいないんじゃないか…
と思ってもそこにいたりする。




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脱走ちゃんは悪くない。
よく頑張った。


見つかってよかった。
入ってくれて良かった。
無事でよかった。
生きててくれてよかった。


ホント良かった…
やっと終わった…


ホッとしたのと同時に疲れが…
きっと捜索隊の皆さまも一緒。



さてコレからは
脱走ちゃんの再医療
捕獲器の回収や掃除
お世話になった近隣の方への報告やお礼
ポスター剥がし


などなどの後始末が待っております。


里親さまも捜索隊も
見つかるまでの心労は当然
身体もハンパなく疲れるし。
キャンセル出来る用事は全てキャンセル
家事もほとんど出来ないし。


脱走の捜索で
いつも思うのは
一度お外で見失ってしまった子を
再捕獲するのは
簡単ではない。並大抵ではない。という事。



交通事故や
野生動物との喧嘩
荷台に乗って遠くに…
って事だってある。
無事に見つかるのは奇跡。という事。



ボラだけではなく
周辺住民さん、企業さん
たくさんの方に
心配と迷惑をかけるという事。


だから
脱走対策して下さい。
絶対お外に出さないで。
とお願いしている次第です。



今回、無事に帰れたから良いけど…
無事に帰れない子も
まだ見つからない子も
ネットなどを見るとたくさんいます。




皆様にも
特にウチ里親さまに
業務連絡的、再度お願いです。

ウチの子を連れてお花見に…なんて
夢夢思わないで下さいね。


ウチの子は大丈夫…なんて
思わないで下さいね。


リード、ハーネス、ドッグカート
なら大丈夫…とも
思わないで下さいね。


お外に連れて出て良いのは
病院通院時のみ!です。
その時もキャリーに入れて
更に
万が一、そのキャリーを落としても
大丈夫なように工夫して
通院して下さいませ。




もう脱走捜索はこりごり。
もうお腹いっぱいです。